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旅する

 

毎晩遅くまで作業しています。

夜の時間というのは不思議なくらい作業に没頭できるので、このままずっと起きてやってられるんじゃないかと錯覚してしまうのですが、作業の手を止めた途端に急激な疲れに襲われます。

 

そんな中。

寝る前の読書?ただ本を眺めているだけですが昨日目に止まった文章。

 

ひろいのぶこさんの、旅する布という本からの引用です。

 

作り手として

そうした時に最も大切にしたのは、作り手の側に自分を置くことです。そして触覚に対する愛着。視覚が優先される現代社会で、疎外されている皮膚の持つ能力を再確認することです。加えて、「観察する人、される人」という従来の学問的アプローチではなく、自らが作る人であるという姿勢を保つこと。そうすることによって、今までに解明されず、言語化されていなかった未知の事実が明らかになるだろうという確信が、不思議にありました。

 

– 旅する布 美学出版

 

 

ひろいさんはフィールドワークを中心に、日本各地やアジアの各地の織物をまとめたとても貴重な本も出されています。

 

まだそちらも読みきれていないのですが、、、

 

ちょっとしたたし算ですら電卓を使ってしまうので、最近どんどん計算ができなくなっています。

今こそそろばんが必要じゃないかと感じる今日この頃。

パソコンやカメラに任せきりで、視覚を使っているようで本当には見ていないんだなと実感することも多々。

 

いい景色も、カメラに収めることばかりに集中しているんじゃないかと、

今目の前にいる人との時間を本当は楽しんでいないんじゃないかと、

そんなことを思ったりします。

 

最近取り組んだ、グラデーションの織り。

感覚がとても鍛えられました。

経糸をグラデーションに染め、そして緯糸を5-6色くらいの濃淡に染め分けました。

 

経糸の色の変わる境目を一瞬でも逃すと、緯糸と噛み合わなくなる。

緯糸を変えるタイミングを間違えて、何度も何度もやり直しました。

 

自分の全神経を集中して、色の動きを読みました。

それでもまだまだ、、、

 

難しい。