news

Exhibition in Tokyo / 展示会のお知らせ

12月1日から、東京都内の二ヶ所で展示会をいたします。

兼ねてからお付き合いのある、木枠織り作家のhatagotoさんとの二人展です。

 

ずっとスケッチブックに描きとめていたアイディアをこの際やってみようと思い、試し織りにほとんどの時間を費やしました。

なかなか思った通りには行かず、何度もやり直しましたが、、、

色を先に決めて制作して来たので、糸染めにはだいぶ時間を割きました。

頭の中のアイディア通りには行かなくても、実際に手を動かすと想像していなかったものが生まれます。

そんな偶然性もたのしみながら制作しました。

まだまだ終わってないので必死ですが、、、

 

hatagotoさんの織りは素朴ながら雰囲気があって、いつか一緒に展示ができたら!と思っていたら実現することになりとても嬉しく思っています。

以前、試し織りのピースを見せていただいたのですが素材が生かされていて本当にかっこよかったです。

かっこいい織りです。ぜひ見に来てください。私も見るのを楽しみにしています。

 

 

「衣・織・住」展

12/1 (fri) – 3 (sun)

(fri)14.00 – 20-00/(sat)11.00 – 20.00/(sun)11.00 – 16.00

A.S. ANTIQUES GALLERY

東京都渋谷区恵比寿西1-31-15 2F (セブンイレブンの上)

TEL 03-6416-1377

 

12/4 (mon) – 10 (sun)

10.00 – 19.00 ※12/6(wed)定休日

とみひろ 青山店

東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル西館1F

TEL 03-6801-6315

 

12/1 – 3日、そして4・5日在廊しています。

場所、時間それぞれややこしいのでご注意ください。

 

 

 

 

 

旅する

 

毎晩遅くまで作業しています。

夜の時間というのは不思議なくらい作業に没頭できるので、このままずっと起きてやってられるんじゃないかと錯覚してしまうのですが、作業の手を止めた途端に急激な疲れに襲われます。

 

そんな中。

寝る前の読書?ただ本を眺めているだけですが昨日目に止まった文章。

 

ひろいのぶこさんの、旅する布という本からの引用です。

 

作り手として

そうした時に最も大切にしたのは、作り手の側に自分を置くことです。そして触覚に対する愛着。視覚が優先される現代社会で、疎外されている皮膚の持つ能力を再確認することです。加えて、「観察する人、される人」という従来の学問的アプローチではなく、自らが作る人であるという姿勢を保つこと。そうすることによって、今までに解明されず、言語化されていなかった未知の事実が明らかになるだろうという確信が、不思議にありました。

 

– 旅する布 美学出版

 

 

ひろいさんはフィールドワークを中心に、日本各地やアジアの各地の織物をまとめたとても貴重な本も出されています。

 

まだそちらも読みきれていないのですが、、、

 

ちょっとしたたし算ですら電卓を使ってしまうので、最近どんどん計算ができなくなっています。

今こそそろばんが必要じゃないかと感じる今日この頃。

パソコンやカメラに任せきりで、視覚を使っているようで本当には見ていないんだなと実感することも多々。

 

いい景色も、カメラに収めることばかりに集中しているんじゃないかと、

今目の前にいる人との時間を本当は楽しんでいないんじゃないかと、

そんなことを思ったりします。

 

最近取り組んだ、グラデーションの織り。

感覚がとても鍛えられました。

経糸をグラデーションに染め、そして緯糸を5-6色くらいの濃淡に染め分けました。

 

経糸の色の変わる境目を一瞬でも逃すと、緯糸と噛み合わなくなる。

緯糸を変えるタイミングを間違えて、何度も何度もやり直しました。

 

自分の全神経を集中して、色の動きを読みました。

それでもまだまだ、、、

 

難しい。

 

 

 

 

 

麻のお包み / Linne dukar

 

納品のお知らせです。

 

以前からご要望のあった麻のハンカチの大きい版、お包みサイズを京都のKitさんに納品しました。

おそらくもうすぐ店頭で見られると思います。

 

麻は、使うごとに柔らかくなり驚くほど吸水性に優れています。

そして何より、すぐ乾く。

 

昔から日本人、特に寒い地方に住む人にとって身近な繊維でした。

 

 

話は変わるのですがせっかく東北にいるし、しかも日本三大刺し子のひとつの庄内刺し子があるので、最近おばあちゃま達に混じって刺し子のクラスに通ったりしています。でもまだ一回しかしてないんですけどね。笑

 

時間を忘れて夜な夜な、農作業と日々の家事をこなし疲れているのにもかかわらず丹念にひと針ずつ綺麗な模様を刺して楽しんでいた昔の農家のお嫁さんやお母さんの気持ちがわかる気がします。針仕事、本当に楽しい。

と言っても今の私は時間配分が課題、、、こればかりやっていたいのですがなかなか苦しいところです。

昔の人って本当にすごい!

 

 

スウェーデンから私の恩師が日本にやって来てほんの数時間一緒に過ごしたのですが、日本の古布を見たいとの要望があったので、古民芸もりたさんを訪れました。そしたらそこで先生が、これはまさに郁美のスタイルね!とあれこれ指差しては笑っていました。

あなたはもっと日本の古い布を見た方がいいわよ!と力強いお言葉。

 

これからどれだけ見られるかわからないから、今見れる手仕事は見ておかなければと思っています。

 

 

 

 

 

Handduk i lin / 麻のハンカチ

 

京都のKitさんに納品しました、麻のハンカチ。

 

赤がテーマで、青みがかった赤やオレンジ系の赤を織り交ぜました。

 

還暦のお祝いに、、、

 

カメラで撮ると赤が違う色に見えるので画像修正しましたが、そういう時人間の目の機能の素晴らしさを実感します。

 

ぜひ店頭で見てみてくださいね〜♪

 

 

 

 

 

Vävmässa 2017 i Växjö

 

 

9月後半に、再びスウェーデンに渡り行ってきました、Vävmässan!

Vävmässaとはその名の通り、織りのメッセ(フェア)という意味です。

 

すごい熱気でした。詳しくはfacebookの方にもっと写真を載せています。

なぜか写真がiCloudからダウンロードできず、、、

なのでこっちには載せられないのです。

 

それはさておき、フェアの間は町をあげて盛り上がっています。

 

長ーーーーーーいトラスマッタ(裂き織りのマット)が道に敷き詰められ町を彩っていたのが素敵でした。全部で300mなんだとか、もっとだったかな。

 

一角には織り機が置かれライブウィービングとでもいうのか、

我こそは、という挑戦者や熟練の腕を持つ強者たちが颯爽と織り機の周りに集い楽しんでいました。

と、まあ誰でも気軽に参加できて、織りって何?という人も歓迎のイベントになっていてとてもいい雰囲気でした。

 

日本でもこういうの、ないかなあ〜。織り人口がどのくらいいるのかしら。

東京でやるんじゃなくて、もっと地方にも集おう!と言いたいところです。このイベントには本当に国内だけじゃなくて周辺国からもたくさんの人がやってきていて、活気があり刺激をたくさん受けました。

 

スウェーデンのラジオ局の人がいて、わざわざこのイベントのためだけに来たの?!なんで?!と取材という名の激しい追及を受けました。

そう考えたらそうですね。わざわざ、、、

 

私は今回はガイドを頼まれていたのでそれもあって行ったのですが、やはりこういう場に行くと織り好きの人ばかりで話がすぐに通じるのでホッとします。

 

 

 

近くのミュージアムでも織り関連の展示をしていました。

これはその裏庭。建物を移築したのかな?すごい〜と思って見てたら、これはまさか、ただ上に乗っけただけ?とさらに驚きました。

どうやってくっついてんだろ。

 

 

 

 

これはストックホルムに戻ってから。Skansen(スカンセン)という野外博物館を歩いて回っていた時のこと。リスを発見!

目の前をうろちょろしたり動じる様子もなく餌を頬張っていて、人に慣れている様子でした。

奈良や広島でいう鹿のような存在なのでしょうか、、

 

 

 

さてさて、さらにその後。

夏にもお邪魔した、とっても素敵な人のお家にまた遊びに行ってきました。

綺麗なお花がお出迎え。

全部自分の庭で採れたお花。この花束のセンスといい家の素敵さといい、毎回ほんとに自分の雑念がリセットされるような感じです。

 

私もこの方のように淡々と織りを続けて、日々の生活にも遊び心をもって生きたいと思います。

 

 

というわけで駆け足でしたが、今はこの楽しかった仕事兼小旅行を終えて無事に家で作業しています。

向こうにいる間はしょっぱなから風邪をひいてなかなか自由に動けませんでしたが、今回復し振り返るとメキメキと力が湧いてきます。

 

これからもずっと続いていく人間関係が築けたことやたくさんの新しい出会いがあって、離れている今も嬉しい気持ちで一人織り機に向かっています。

12月に東京で友人の素敵な織り作家さんとの2人展があるので、それに向けて精一杯頑張ります。

 

 

 

 

 

ハンカチ Linne handdukar

 

京都のUmweltさんに、秋色のハンカチを納品しました。

ピンク×グリーンの組み合わせをベースに、彩度の違うそれぞれのピンク、グリーンを使いました。

 

いつも経糸と緯糸の予想外の混ざり具合に一喜一憂しながら制作しています。

今回の色は両方とも、思わぬところでうまく混ざってくれた気がします。

特に濃いグリーンの方。緯糸は薄い紫を入れたのですが、いつもは使わない色なのでどうなるか楽しみにしながら織りましたが、こうなったか!という感じです。

面白い組み合わせで気に入っています。

 

それと、青にピンクを合わせるとできる紫色が最近とても好きになってきました。

紫があるとグッと魅力が増す気がします。

もしお近くにいらっしゃる時は是非お店の方にも足を伸ばしてみてください。

 

Umweltさんブログ

 

 

 

 

 

På landet / Country side

 

スウェーデン、アイスランド旅行の思い出を書けぬまま時間が過ぎ行く。。

 

1枚目は、スウェーデンで一番長い木製の橋です。(確か一番だったはず、、、?)

どこまで続くんだろう、と思うほど果てしない橋に使われている木は一本一本がみんなの寄付だそうで、よく見ると寄付した人の出身地と名前が刻んであります。

歩きながら踏みしめる。うーん、素敵。

 

ちなみにこの先はどうなっているかというと、デッキになっていて飛び込み放題、焼き放題。老若男女がそれぞれにくつろいだりはしゃいだりしています。

あまりの灼熱具合に私は早々に退散しましたが。

 

夏になるとみんなチョコレートみたいな色になっています。そんな色にまで焼けるの!と驚きますが、秋にはまた白く戻る。

あの色どこ行った?と不思議でならない。スウェーデン人の数ある不思議の一つだと思っています。

 

 

2枚目、スウェーデンにも引けを取らない絶景がここにあります。山形県の羽黒町というところ。

毎日こんな景色を眺めていたら、大きな気持ちになりそうです。ここに住みたい。この平野の中の、ほんの片隅でいいですからどなたか貸してくれませんかねえ、、

 

 

今日は雨ったり晴れたり曇ったり大忙しの天気。

作業が終わらなくててんやわんやです。こうしてちょっとだけ現実逃避したので、また作業に戻ろうと思います。

 

 

 

 

 

Coasters for Takinami-Ryokan 2

 

さて次は、織る作業。

今回は4パターンで作成しました。

 

 

 

そして縫う。ひたすら縫いました。

 

そして完成!!

 

 

大きさは2種類あるのですが、こちらは少し小さめサイズです。

 

 

そして肝心の、旅館のほうもリノベーションは完了し、プレオープンしているとのことで先日伺ってきました。

 

 

美しいエントランス。防音対策バッチリの壁のおかげで、入口のドアが閉まると外の音はほとんど聞こえません。

別世界が広がります。

 

 

裸足で歩くことをお薦めしているんです。というお言葉通り裸足に。

夏はさらりと、そして冬は不思議と暖かい。何よりこの浮き出た木目が素足に優しい感触を与えてくれてとても気持ちいいのです。

ずっとこの床を歩き続けたい。

 

 

ぼんやりと照らしてくれる昼間の光。照明のようです。

ここから究極の癒し空間への道が始まるのです。

 

 

私のへなちょこ写真なんかより、実際に見ていただきたいお庭。

うむむ!このお庭を独り占めできるなんて!

と唸らせる豪華なお部屋。

 

 

こんなに立派なお部屋で過ごす一晩は忘れられないものになりそう。

写真がひどくて申し訳ありません、、、

 

 

そして石屋さんが頑張って作った岩風呂。

お湯にももちろん並々ならぬこだわりがあります。

 

温泉をタンクに貯めてから各部屋に回すのではなく、直接お部屋に引いている。

その日の気温、天気などによって左右されてしまうお湯の温度を一定に保つため、こまめな温度管理が要求されるのですが、その手間を惜しまずにお湯を守っている。

体の温まり方が全然違うそうです。

入ってみたい!そしてこのお庭!自分のためだけにあるのではないかと、傲慢な気持ちが出てきそうなくらい贅沢です。

 

他にも写真をバシャバシャ撮ったのですが、如何せん腕がないもので、、、公開しない方が良さそうなので、ぜひ直接見て体験していただきたいと思います。

 

瀧波さんのホームページはこちら

是非是非、山形の美味しいものと素晴らしいお湯を体験しにお出かけください!

今ならプレオープン記念のお得な料金で泊まれるようなので、チェックしてみてくださいね。

 

そして私のコースターも、そういえば!と思い出していただけるととても嬉しいです。

 

 

 

 

 

Coasters for Takinami-Ryokan 1

今夏のはじめ頃、山形県南陽市にある、いきかえりの宿 瀧波さんへコースターを制作させていただきました。

このことはfacebookの方にも書き、instagram, facebook, blogと何をどのように書き分けたらいいのかわからないのですが、こちらはもう少し詳しく書いてみようと思います。

 

 

さてさて、

瀧波のデザイナーの方と打ち合わせした時はリノベーション真っ盛りで、急ピッチで作業が進んでおりました。

足場を登ったりくぐったり、まだ養生用のブルーシートが目立つ中をお邪魔して、ご丁寧に案内していただいたことを覚えております。

 

この旅館を再生するために、この場所に関わっている方が総力を尽くしていることに感銘を受け、是非ともこの場所に合うようなものを作らせてもらいたい!という気持ちになりました。

 

山形県は同じ県でも、気候はそれぞれ。

私の住む酒田市は海に面し、鳥海山、庄内平野と港と、海風。

瀧波さんのある南陽市は内陸部に位置し、高い山に囲まれ湖もあり、穏やかな風が吹いています。

 

山形というテーマで、それぞれの地域に合うように模様のバリエーションの多いローゼンゴン織りを選びました。

 

藍と玉ねぎと、山形県で採れた黄檗という木のチップを購入し、早速染め作業。

 

 

黄檗、こんな色をしています。

これだけでもとても綺麗。どんな色が抽出されるのか楽しみです。

 

 

写真の左は、何の色でしょう?

正解は、玉ねぎです。こんなに赤くなり、そして隣は先ほどの黄檗。

レモン色になってこれまた綺麗です。

 

 

台所でグツグツ。

黄檗で染めています。

手前に写っている若干奇妙な色をしているものは、藍染した糸です。笑

 

 

 

染め上がり。

左から、黄檗、玉ねぎ、玉ねぎ、黄檗+藍、藍、藍

となっています。

 

こんなに綺麗に染まるなんて、と感動です。

 

 

糸の目印につけていたセロハンテープまで綺麗に染まりました。

 

 

 

 

 

Iceland

旅の思い出つづく。

 

ずっと持っていた願望、アイスランドへ行きたいという夢がついに実現しました。

一緒に行った友達はかつてアイスランドに住んでいて、出会った当初はアイスランドの話ばかりしていました。

私にとっては夢の国、彼女にとっては懐かしい第二の故郷。

 

 

一口に、素晴らしかった!というだけではなく自然と人の近さゆえに荒々しい自然を前に無力すぎる自分を感じたり、今まで見たことのないような地形と色と、空気と風。

季節の全部がそこにあるようなとても不思議なところでした。

 

友達が全部手配してくれたので、おまかせ旅行になってしまったのですが、自分だけでは到底行けないようなところにも行けて本当にありがたかったです。

色々なミラクルも起こりました。

 

飛行機の到着が遅れ乗るはずだったバスを逃し、次に出るバスに乗れるかどうかギリギリ。

これも逃してしまうと最終バスまで5時間くらい待たないといけない。

しかしどう考えてもそのバス停までたどり着けそうにないと諦めかけたとき、突然現れた白髪に全身赤い服のエンジェル。(年配の女性でしたが)

 

いきなり、この車に乗りなさい!とレッドエンジェル。

突然のことに驚きをかくせず、というかこのひと、だれ?!という私の疑問すら受け止めてもらう暇もないまま猛スピードで車を飛ばし、バス停まで送ってくれたのでした。そしてバス出発5分前到着という奇跡。

 

大喜びの友達。

後で訊いたら、ついさっき空港で出会った人だったという。不思議なことが起こるもんだ。

とにかく、色々な人に助けられました。

 

最初の目的地は、友達の友達のファームでした。馬が25頭、羊が200匹にうさぎ、犬、ヤギを飼っているのでした。

行った時が白夜の時だったのでいつまでも明るく、夜の散歩がとても気持ちよかった。

 

 

夏至の夜の散歩。

目の前に広がる自然の大きさに圧倒される。写真に撮ると、こういう景色あるよねという感じになってしまうのが勿体無い。

 

 

晴れてると思うと大風と大雨になったり、と思うといきなり太陽が顔を出して暑くなったり。

 

夕飯後の散歩に出ようとするわたしたちを、先導してくれた賢い子。

ぼくが守る!とでも言いたいのか、このへんのこと何も知らないんでしょ、ぼくに付いてきなよ。というつもりだったのか。(どちらかと言うと後者かな)

小柄だけど頼りになるリーダーでした。

 

 

つづく