国産のシルク。
生産量がぐっと減って来ている昨今。
需要が減っている、というのはそんなことはない。需要はあるけど作り手がいないんだ、と去年お手伝いしていた養蚕農家の方は言っていました。
たしかにその方も高齢になりつつあったし、(年齢差40歳くらいの私に比べて信じられないくらい体力ありますが)後継者のいる養蚕農家はあまりないようです。
秩父で織物をやっている友人の近くの養蚕農家さんでは、幸いにも後継者の息子さんがいらっしゃったけど…
どうにか、続いて行ってほしいなあ。
テキスタイルの学校に行っているときに先生が、たしか横浜のシルクの博物館のイベントか何かに登場したお蚕様たちの引き取り手を探しているとき、育ててみたい!と言ってわけてもらった初めての蚕。
最初は正直、触れない!と思ったけど数時間観察しているだけで最初の印象はどこかへいってしまいました。
触れない!から、触りたい!へ。
ちょっとひんやりしてるのにシルクのようにすべすべで、この虫からあの糸が生み出されるのは納得でした。
(触りすぎると病気になったりするからだめなんだけど)
自分の元に来た蚕達の一生を見届け、いつか養蚕の現場を見てみたいと探していたところ、なんと家の近くで一軒だけ養蚕をされている方をみつけたのです。そしていろいろな人に手を借りてようやく連絡先を教えてもらったのでした。
得体の知れない集団(といっても3人)を仕事場に快く招いてくれたおじいさんは、あっけにとられる我々を尻目に軽快に仕事をこなし(だってすごい量の蚕だったんだもの!)、作業を見せ話を聞かせてくれたのでした。
それからも一人で通いつめ、休憩中はおじいさんおばあさんに囲まれつかの間のほんわか時間を過ごし、でも仕事はハードで、毎日蚕の残像が頭にこびりつき寝れない夜もありましたが、私より高齢の方々の仕事ぶりにただただ感服するばかりでした。
本当に体力勝負でした。
詳しくは違うブログで書いていたんだけど、なんか中途半端なのでまた今年もお手伝いして、それを書いて今度はちゃんとレポートしたいなと思っています。
まあ、話はぐっとそれちゃったのですが、国産シルクの現状を知った上でこの糸を買いたいと思っているので、決して安くないけどこれからも買って使って行きたいです。ほんとうに綺麗な糸。
できるならばお手伝いしていた養蚕農家さんの繭で作った糸で織りたいのですが、私が去年うっかり体調を崩し2回目のときにお手伝いできなかったのでそれはもう少し先のはなし。だけど近い将来きっとできると思っています。